DACとは

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Direct Air Capture (DAC、直接空気回収)とは?

Direct Air Capture (DAC) は、空気中の二酸化炭素を除去する技術の一つです。 ネガティブ・エミッション・テクノロジー(NET)と呼ばれることもあるDAC技術は、大気中からCO2を直接回収します。 回収したCO2は、深い地層に永久に貯蔵することでCO2除去に繋がったり、建設資材のような長寿命の製品に利用したり、食品や飲料の加工に利用したり、水素と結合させて合成燃料を製造したりすることができます。1

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技術はどのように導入されるのか?

いくつかの企業が多様なDAC技術の導入を開始しており、効果を向上させるための研究開発が進められています。 空気からCO2を回収するために研究されているその他のアプローチには、パッシブシステム、膜分離システム、電気化学システムなどがあります。 DACの研究は非常に活発化しており、様々な新しい手法が急速に開発されています。

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回収したCO2で何ができるか?

回収されたCO2の主な用途は、地下への貯留(CCS、Carbon Capture and Sequestration)と、商品や工業プロセスへの利用(CCU、Carbon Capture and Utilization)です。

CCSは大気からCO2を永久に除去するものですが、CCUと違って特に製品を生み出さないため、プロジェクトの組成・運営は政府やスポンサーの資金に依存してしまいます。 CCSは一般的に ①地下の岩層での鉱物化 ②含塩水層への貯留の二種類です。 CO2は炭酸ガスとしてはすでに多くの産業プロセスで活用されており、大気由来のCO2を供給する用途は急速に拡大しています。

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商業用CO2の現在の世界市場規模は?

今現在、CO2市場は年間およそ1億8000万トンです。3様々なイノベーターが、飲料や化学製品、建設資材など、大気由来のCO2を活用する方法を開発しています。4また、CO2を自動車や船舶、さらには航空機やロケットの動力源となる高度な燃料に変換する方法も研究開発されています。 CO2を市場性のある製品に転換する技術「カーボンテック」を用いた製品の市場規模は100兆円以上と推定されています。5

気候変動対策におけるDACの役割(なぜ必要なのか?)

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どのくらいの炭素除去が必要なのか?

IPCCの推計によると、21世紀中に1,000億トンから1兆トン (ギガトン)のCO2除去が、気温上昇を工業化以前で1.5℃に抑えるために必要といわれています (2015年パリ協定において定められた1.5℃目標). 広範な分析によると 気温上昇1.5℃の様々なシナリオにおいて、2050年までに必要なCO2除去量は年間1.3~29ギガトンとされています。さらに、その中のほとんどが5~15ギガトンの除去を必要としています。. この大規模なCO2除去は に加えて 再生可能エネルギーの普及やその他多くの排出削減策を通じて、人類が排出し続けているCO2を削減するために、私たちは非常に積極的な対策を講じる必要があります。

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現在のDAC技術の能力は?

According to the IEA 現在、世界で19のDACプラントが稼動しており、年間1万トン以上(乗用車約2,000台分)のCO2を回収しています。 現在の技術は、高いコスト(CO2除去量1トンあたり数万円)と膨大な必要エネルギー量(CO2除去量1トンあたり7ギガジュール以上)により制限されています。6

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炭素除去は排出削減の代わりになるか?

いいえ。

今日の大気中のCO2量を考えると、排出量削減と大気中のCO2除去は、気候変動の最悪の影響を回避するために必要な相互補完的な戦略と言えます。

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DAC以外にどのような炭素除去ソリューションがある?

DACは、いくつか開発されているCO2除去手法のひとつに過ぎません。 その他のCO2除去手法は、BECCS(BioEnergy with Carbon Capture and Storage)のような技術的アプローチから、森林再生、土壌炭素貯留、人工木材などの生物学的・自然科学的アプローチ、そして風化促進や海水炭素貯留のような地質学的アプローチなど多岐に渡ります。7

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直接大気回収(DAC)は、ポイントソース・キャプチャ炭素回収・貯留(CCS)とどう違うのか?

炭素回収・貯留(CCS)は、セメント工場や発電所の煙突などの排出源でCO2を直接回収することで大気中への放出を防ぎます。 一方で、DACはすでに排出された大気中にあるCO2を除去するものです。

CCSは排出削減の方法の一つであり、DACはCO2除去の方法と言えます。10

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DACが生み出す経済機会とは?

DACが本格的に導入されれば、2050年までにアメリカ国内だけで60万から135万人の高賃金雇用が創出されると予想されています。 この試算を細分化すると、1メガトンのCO2を回収するDACプラントは、そのサプライチェーン全体で約3500人の雇用を生み出します。 特に、建設、エンジニアリング、設備製造などの分野で、最低でも30万人の新規雇用が見込まれます。 セメントと鉄鋼分野における雇用は50%増加する可能性があり、OMや化学分野、天然ガスにおいても、新たな雇用増加が予測されます。11

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DACは化石燃料への依存を後押しするのか?

一部では、DACやその他のネガティブエミッション技術が化石燃料を燃やし続けるための都合のよい口実となることを懸念する声もあります。これは、一般に「モラルハザード」問題と呼ばれます。 しかし、世界的な目標を達成するために必要なのは①脱炭素化による排出削減と②過剰なCO2の大気中からの除去の両方であることは明確です。 どちらか一方だけで解決できる状況にはもはやなく、現在の炭素排出量を削減し、大気中のCO2を安全なレベルに戻すために過去のCO2排出量を除去するという、包括的なアプローチが不可欠なのです。

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誰がDAC技術を開発しているのか?

DAC Directoryで、この分野をリードするイノベーターをご覧ください!

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